信用

専門家であれば口外する筈がないと思うまでもなく。その穏やかな物腰も話の聞きっぷりも、かれこれ2年がトコ月2回ばかり会ってこちらの胸の内を打ち明けてきた相手であれば。ましてや精神的露出症気味の私であれば。昔話に絡むことがあれば。
聞きたくもないような不愉快な体験について聞く羽目に陥ることもある。
それでもアチラは仕事なんだから、やっと語ってくれたかさあこれからだと思っているのかもしれないけれども、そんなことはおくびにも出さない。
具体的なアドバイスは殆どなく、ありきたりのこちらだとて分かりきっているようなことをポツリと言って下さるだけで、ただもうひたすらメモを取りつつ聞いている。
迸るように話す私の何が何処がどう問題でどう変わればいいのかなんて分からない。それでも。
辛い思いをなさってきたんです。と言い切ったその人に対する信用は、時間をかけてかけすぎて、やっと生まれてきてくれたのかもしれない。